フリーランスエンジニアこそ、未経験な業務を積極的に引き受けよう

ビジネスの向き合い方

顧客など周囲にフリーランスエンジニアとして仕事を依頼された時、「○○っていう言語を使った保守対応できる?」とか「××みたいなシステム開発をお願いしたい!」と言う風に言われる事があると思います。

そして、それらについて、経験がなかったりよく知らない場合も多いでしょう。

そういった時、どうすれば良いか?自分の経験を元に話したいと思います。

未経験な仕事こそ、「出来ます」と言って引き受けよう

結論から言いますが、自分が経験した事がない技術要素やサービスについて依頼をされた時でも、絶対に「出来ます」と答えて、引き受けるべきです。

「いやいや、経験ないのに嘘ついたらだめだろ!」そう突っ込まれるかもしれません。

しかし、自分が知っていたり、やった事がある仕事しか引き受けなかったら、いつまでも自分のスキルの幅は広がりませんし、もしそれで断ったら、相手からは「なんだ、この人何も出来ないんだな」と思われ、以降その人からは声が掛かる事がなくなってしまうでしょう。

だから、未経験な仕事を頼まれた時は、まずは引き受けましょう。こういった機会はチャンスでしかありません。

大体の事は調べるか聞けば解決する

自分が未経験なスキル要素だとしても、今の時代、ネットで調べればいくらでも情報が出てきますし学習コンテンツも充実しています。

最近では、ChatGPTもあります。

そもそも、大体のクライアントは、調べても全く出てこないような超専門的な依頼をしてくる事は稀ですし、割合としては少ないです。

大抵、巷で流行ってるものや有名なものなのでそういったものはネットや本といった媒体で情報を得る事が可能です。

あと、例えば自分の知らない事を調べるために、ネットで情報が出てきても、その意味が全く分からなかった場合、それは基礎知識が足りないという証拠になります。

その場合は、まず基礎を勉強した方が良いという事だと思います。

あとは、自分より知識が深い友人がいればその人に聞くのも良いと思うし、部分的に委託するなどしても良いかもしれません。

気をつけないといけない事

勿論、いくら調べれば分かると言っても時間が必要です。

時間をもらい、まずは作業を見積もる過程で必要な知識の概要を調べたうえで、しっかり余裕を持った工数を見積もりましょう。

なので、あまりにタイトなスケジュールを求められたらそこは調整するか、それが無理なら断った方が良いです。

また、もし聞いたり手伝ってもらうなどして他人の力を借りるのであれば、相応の報酬は払いましょう。

金銭的に厳しい場合でも、一杯のラーメンぐらいは奢るべきです。

何にしても、力になってくれた人には対価を支払いましょう。

未経験な案件は大変かもしれないが、見返りも大きい

自分が知らない事を勉強しながら案件を進めるのは、正直楽ではないし、寧ろ大変です。

しかし、これを多少無理をしてでも遂行出来れば自分の経験の幅が広がるし、自信にも繋がります。

案件が終わると、「大変だったが、なんとかなるもんだな」と思うでしょう(笑

また、自分の依頼を聞いてくれたという事で、顧客の信用も増していきますのでまた仕事依頼をリピートしてくれるかもしれません。

そもそもエンジニアの技術要素や、作れるサービスは非常に多岐にわたるので、自分が知らないような案件でも積極的に取っていくような気概がないと、フリーランスとして生きていくのは正直厳しいと思います。

未経験案件をなんとか遂行出来た結果、桁違いの報酬が貰えた話

これは僕の経験談なのですが、起業3年目に、自分がやった事がない技術要素を思い切って引き受けて、無事納品に至った際、これまでに受け取った事がないほどの報酬額…僕がかつてサラリーマンだった時代の年収相当の額を一気に受け取る事がありましたが、それで見える世界が変わりました。

まあ、当時は今に比べたらそれほど稼げていなかったので、案件の声が掛かればとにかく引き受ける!という単純でガムシャラな思いで案件を請け負った感じです。

そして契約を締結したあたりから、「全然やった事ない案件だが、大丈夫だろうか?」とようやく冷静になり始めました(笑

正直言って、案件を進めている時は大変でした。

その時は、AWSによるネットワークインフラの構築だったのですが、AWSはサービスを部分的に利用した事はあったものの、実務でゼロベースで環境を構築する事は初めてでした。

自分で調べたり、有識者に聞いたりして、タイトなスケジュールの中、なんとか対応出来ました。

あと、案件の発注元の方が大企業出身で、セキュリティや契約書の作法について気にする方だったので、そこをよく突っ込まれる事が多く、そこも大変な要素でした。

しかし終わってみれば、それらは今後に生かせる知識ばかりですし、終わってみたら、どうにかなるものだなぁと思いました。

まずは完成させろ!の信念で仕事をしよう

META(旧Facebook)社の社訓に

“Done is better than perfect.”

という言葉があります。

直訳すると、「完璧より完了が良い」となりますが、よく「まずは完成させろ」と訳されます。

エンジニアは技術職ということもあり、どうも完璧を求めてしまいがちな人が多く、それ自体悪い事ではないと思うのですが、自分が今まで知らなかったような技術要素やサービスを完璧に作るのは不可能です。

もちろん納品する以上、品質には気を遣うべきですが、こだわりすぎて時間がかかったら意味がないので、何より、まずは完成させる!という意識を忘れないようにしてください。

そのために、必要な技術の基本的な情報・知識を得るだけでなく、完成イメージについて顧客と認識合わせをしましょう。

ゴールの鮮明化と、それが自分と顧客とで認識が合致している事が、案件を進める上で最も大事だと思います。

ちなみに、もしビジネスというより、技術自体を極めたいと思ったり、よりアカデミックなキャリアでいきたいと思う場合、会社員(特に大企業の)のほうがやりやすいかもです。

もしくはフリーランスでも、プロダクトを作って納品というより、カンファレンス等で技術的なアウトプットをするようなスタイルになるかと思います。